「食べる順番」と血糖コントロール

同じ献立でも「食べる順番」を変えるだけで、食後の血糖値が変わることを知っていますか?今回は、血糖値を上げにくくする「食べる順番」について解説します。外食時にも使えるので、ぜひ覚えておきましょう。

血糖値が上がりにくい「食べる順番」とは?

健康な人でも食事を摂ると血糖値は上昇しますが、ホルモンの作用で自然に低下します。糖尿病は、上がった血糖値がなかなか下がらず、高血糖状態が続く病気です。血糖値が高い状態が続くと血管が傷み、さまざまな病気を引き起こすおそれがあります。そのため、血糖値を上げすぎないことが大切です。

通常、糖尿病の食事では摂取エネルギーや糖質量をコントロールして、血糖値の上がりすぎを防ぎます。しかしより簡単に、主食やおかずの食べる順番を変えるだけでも、血糖値の上昇が防げるのです。

血糖値を上げにくくする「食べる順番」は以下のとおりです。

  1. 食物繊維が多い野菜、海藻、きのこなどのおかず
  2. たんぱく質が多い肉、魚介、卵、大豆製品などのおかず
  3. 糖質が多いご飯、パン、麺類などの主食やいも類のおかず

この順番に食べると、最後に主食ばかり残ってしまいそうですね。おかずは食べきらずに少しずつ残して、最後に主食と一緒に食べるとよいでしょう。

糖質の吸収を遅らせる「食物繊維」

食事は、食物繊維が豊富な野菜、海藻、きのこなどのおかずから食べましょう。食物繊維には、糖質の吸収を遅くする作用があります。

食物繊維は、水に溶けやすい「水溶性」と水に溶けにくい「不溶性」の2種類に分けられます。糖質への効果が高いのは、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収すると、ネバネバした状態になります。腸内をゆっくり移動しながら糖質の吸収を妨げるため、血糖値の急上昇が防げるのです。

また食物繊維が多い食材をよく噛んで、時間をかけて食事を摂ると、満腹感を得られやすくなります。食物繊維のおかずをゆっくり食べて、最後に主食やいも類のおかずを食べれば、すぐにお腹がいっぱいだと感じるので糖質の摂りすぎを防げますね。

よく噛んで食べるには、繊維質な食材を選ぶのも方法のひとつです。ごぼうやれんこんなどを食べると、噛む回数が増えて、自然と食事時間が長くなります。野菜を大きめに切ったり、必要以上に加熱しないで食感を残したりする方法もあります。

胃の運動をおさえる「たんぱく質」

食物繊維が多いおかずを食べたら、次は肉、魚介、卵、大豆製品などたんぱく質が多いおかずを食べましょう。たんぱく質も、血糖値に影響を与えることがわかっています。

たんぱく質を食べると、小腸から「インクレチン」というホルモンが分泌されます。インクレチンの働きは、胃の運動をおさえること。胃の動きが遅くなるため、たんぱく質の次に食べる糖質の移動がゆっくりになります。すると糖質の消化吸収スピードが遅くなり、血糖値の上昇も緩やかになるのです。またインクレチンには、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌をうながす役割もあります。

ただし、たんぱく質が多いおかずも早食いしていると効果が薄れてしまいます。よく噛んでゆっくり食べて、インクレチンの効き目を高めましょう。

食事の最後に「糖質」を食べましょう

血糖値を上げやすい糖質を食べるのは、食事の最後です。

ご飯、パン、麺類などの主食や、いも類のおかずから食べはじめた場合、空っぽの胃腸に突然糖質が入ってくることになります。糖質が一気に吸収されて、血糖値は急激に上昇してしまうでしょう。やはり、糖質を摂る前に食物繊維やたんぱく質のおかずを食べておくことが大切なのです。

食べる順番を変えるのは、次の食事からでも取り組めることですね。すでに摂取エネルギーや糖質量が調整された食事でも、食べる順番を意識すると、より効果的に血糖値をコントロールできます。

また食事の量や内容を調整しにくい外食でも、食べる順番を変えることはできます。できるだけ定食やサラダセットのようなメニューを選び、野菜のおかずから食べるようにしましょう。

健康な人でも、食べる順番を変えると血糖値が上がりにくくなるため、糖尿病の予防効果が期待できます。正常な血糖コントロールを目指して、家族みんなで取り組んでみてはいかがでしょうか。

健歩薬局では処方されている薬を見ながら食事に関するご相談も承っております。

是非お気軽に薬剤師へご相談ください。